文化遺産教育強化プロジェクト

建築遺産保全の持続的な取り組みには、高等教育での遺産教育の充実と建築遺産保全に必要な研究体制の確立が不可欠です。本プロジェクトは、ブータンで唯一の建築学科がある科学技術大学において、ブータン建築や建築遺産保全に関するカリキュラムを強化することを目的としています。

事業名称Project for Enhancement of Heritage Education and Conservation Studies
実施機関アーキヘリテージプラス
協力機関ブータン内務省文化局 (DCDD)
王立ブータン科学技術大学 (CST)
助成期間Oriental Cultural Heritage Site Protection Alliance (OCHSPA), Parisによる2023年と2024年助成
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ロードマップ

2023年7~8月

CSTに2014年に設置された建築学科は五年制で、毎年30人の学生を受け入れています。本プロジェクトでは、建築学科が現在教えているブータン建築や文化遺産保全に関する講義の内容と学習時間を拡充すること、そしてさらに、文化遺産保全を専門的に学ぶ半年間の履修証明書コースを導入することを目標に定め、その達成に向けたロードマップ(工程表)を作成しました。

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授業計画案

2023年7~8月

本プロジェクトで、新しく導入される講義の建付けと内容を規定する授業計画案を作成しました。そこには、DCDDが謳う「遺産価値に基づく保護」のコンセプトが反映されています。計画案は、文化および教育セクターからの参加者が会した2日間のワークショップで最終案としてまとめられ、今後、必要な手続きを経て、建築学科のシラバスに反映されることになります。

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セクター間協力に向けたワークショップ

2023年8月3-4日

建築遺産教育・研究強化のプロジェクトの一環として、文化と教育のセクター間の協力促進を目指し、二日間のワークショップをDCDD大会議室で開催しました。ワークショップではプロジェクトで作成したロードマップを参加者が検討し、一致した合意に達しました。また、授業計画案についても最終決定されました。

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CST講師向け研修

2024年2月12日-4月1日

ロードマップに沿って、DCDDは、CSTの建築学科と土木工学科の16人の講師のために、建築遺産保全に関する指導能力向上のための研修を実施しました。この研修は、1週間の座学に加え、建築遺産の一つを課題としたグループワークで構成されています。DCDD職員による講義のほかにも、國學院大學教員や、東京文化財研究所や世界遺産センターの研究者、および当団体代表理事による、オンライン講義も行われました。

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学生のフィールド研究

2024年実施予定

2024年8月に、CSTの学生によるフィールド研究を計画しています。これは、建築学科のカリキュラムの一環として実施されますが、フィールドワークの指導や成果物に対する講評などの技術支援を行います。

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教材開発

2024年実施予定

本プロジェクトでは、新設される履修証明書コースで使用する教材を開発する計画です。ブータンにおける文化遺産保全を学ぶのに適切な教材はほとんどありません。

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